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[22p-P08-5] 原子間力顕微鏡の応力緩和測定による初期発生胚レオロジーの定量化
キーワード:原子間力顕微鏡、胚発生、ホヤ
受精胚は細胞分裂(卵割)を繰り返して細胞ごとに異なる組織へと分化していく。このような胚発生の分化は、遺伝的や生化学的に加えて、力学的な要因により統合的に制御されていると考えられている 。最近、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、カタユウレイボヤの初期発生過程において、動物極側では細胞分裂時に弾性率(見かけのヤング率)が一様に増加し、植物極側では細胞分裂に依存せずに細胞の弾性率に個性が存在することが見出された 。しかし、この初期発生胚の粘弾性は未知である。本研究では、 AFM の応力緩和測定を用いて細胞レベルでの測定に成功した。それにより、AFMは発生胚のレオロジー計測に有用であること、そして、発生胚の形態変化に伴い細胞の粘弾性が変化していくことが定量的に明らかになった。