The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[II-29-10_12] 栄養・飼養(II-午前)

Fri. Mar 29, 2019 10:30 AM - 11:00 AM 第II会場 (8号館8302講義室)

Chairman:Hiroshi Kajikawa

10:40 AM - 10:50 AM

[II29-11] 肥育期の黒毛和種牛にビタミンC補給が及ぼす影響

Tomonaga Shozo, Kumagai Gen, Hoshino Yoichiro, Yoshioka Hidemitsu, Itoyama Erina, Kitamura Shoko, Nagase Yuji, Funaba Masayuki, Matsui Tohru (Grad. Sch. Agric. Kyoto Univ.)

【目的】黒毛和種牛では,肥育過程で血漿中ビタミンC(VC)濃度が半減する.反芻胃内非分解性VC製剤補給試験では,血漿中VC濃度上昇効果が一時的である.本試験では,従来よりも多量のVC製剤補給が,VCをはじめとする血漿中ビタミン濃度や枝肉形質に及ぼす影響を検討した.【方法】黒毛和種去勢牛各4頭を13ヶ月齢から50g VC/日の反芻胃内非分解性VC製剤(テクノコートV70)を補給する処理区とVC補給しない対照区に割り当て26ヶ月齢まで肥育した.VCを含む血漿中ビタミン等の濃度を検討するとともに,肥育後期血漿のメタボロミクスを行った.また,枝肉形質も検討した.【結果および考察】血漿中VC濃度は,対照区において肥育の進行に伴い低下したが,処理区ではこの低下は認められなかった.メタボロミクスから,VC補給によりVC代謝産物であるトレオン酸濃度の上昇が認められた.血漿中ナイアシンおよびコリン濃度は肥育中に大きく変化せず,VC補給の影響も受けなかった.メチルマロン酸とホモシステイン濃度もVC補給の影響を受けなかった.一方,血漿中ホモシステイン濃度のみが肥育中に増加したことから,肥育期における葉酸不足の可能性が示唆された.また,きめやもも抜けを,ビタミンC補給が向上させる傾向が認められた.本研究は農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち先導プロジェクト)」の支援を受けて行った.