The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[II-29-10_12] 栄養・飼養(II-午前)

Fri. Mar 29, 2019 10:30 AM - 11:00 AM 第II会場 (8号館8302講義室)

Chairman:Hiroshi Kajikawa

10:30 AM - 10:40 AM

[II29-10] ウチワサボテンサイレージ摂取がヤギの糞と糞堆肥の成分と性状に及ぼす影響

Hayashi Yoshiaki, Iwamatsu Katsuya (Faculty of Agriculture, Meijo Univ.)

【目的】近年,世界においてウチワサボテン(Op)の飼料としての活用が注目されている.Op摂取での家畜の消化性向上等が報告されているが,家畜糞と糞堆肥生産に及ぼす影響は明らかでない.そこで,ヤギのOpサイレージ摂取による糞と糞堆肥の成分と性状を調べた.【方法】Opとフスマを7:3(原物)で混合し,70日間発酵によりサイレージ化した.粗飼料にライグラスストローを用い,ヤギ1頭当たり1.3 kg乾物/日と107 g 粗タンパク質/日の給与量として,対照区にはフスマ,試験区にはOpサイレージを各区2頭ずつに給与した.給与8日後から10日間の糞を採取し,水分約65%に調整後,小型堆肥化実験装置で28日間の試験を行った.【結果】試験区は対照区より,糞と堆肥化過程共に,全窒素,粗灰分,リン,カリウム,電気伝導率が低く,カルシウム(Ca)とpHが高かった(p<0.05).また,試験区は対照区より,堆肥化7日後までのアンモニア揮発量とその時点でのアンモニア態窒素含量,堆肥化過程での硝酸態窒素含量が低かった(p<0.05).堆肥化過程の温度とコマツナ種子の発芽に試験区間で差はなかった.Opサイレージ摂取はヤギの窒素代謝を亢進し,糞や堆肥中の窒素量を低減させる一方,Op中のシュウ酸によるCaの吸収阻害により糞と堆肥中のCa量を増加させた.今後,Op摂取による糞堆肥中のCa利用性検証の必要性が示された.