The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

[P-29-01_19] Poster session

Fri. Mar 29, 2019 9:00 AM - 3:30 PM ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-08] 親子放牧飼養における黒毛和種子牛への木材クラフトパルプ給与が発育および反芻胃液性状に及ぼす影響

木戸 恭子1, 手島 茂樹1, 戴 安娜2, 上野 豊2, 黒須 一博3, 櫛引 史郎1 (1.農研機構畜産部門, 2.信州大農, 3.日本製紙(株))

【目的】黒毛和種肥育素牛の安定供給のため放牧を活用した子牛生産を想定し,放牧飼養下における子牛の良好な発育の確保を目的とする.本研究ではセルロースを主成分とする高エネルギー飼料である木材クラフトパルプ(KP,日本製紙(株)開発品)の給与試験を実施した.【方法】試験は2016,2017および2018年の6~10月に実施した.親とともに放牧した黒毛和種子牛(2か月齢,計28頭)を用い,KP区と対照区とを設定した.対照区は市販育成用配合飼料を給与し,KP区は対照区への給与TDNの10%をKPに置き換えた.反芻胃液は経口より採取し,6か月齢までの発育および反芻胃内VFA濃度の変動を調査した.【結果】KP区は対照区に比べ発育が向上する傾向を示し,特に雌子牛においてKP区は対照区より有意にDGが上昇した.KP区雌子牛の反芻胃液VFAは,給与から2か月目以降の酪酸濃度が他の区よりも有意に高く推移し,総VFA濃度も3か月目で他の区より有意に上昇した(p<0.05).KP給与区雄子牛は給与開始1か月のプロピオン酸濃度が対照区より高い傾向を示したが(p<0.1)2か月目以降は同水準に低下した.一方,KP区雌子牛のプロピオン酸濃度は変動が小さく,試験終了時まで安定した値を示した.なお本研究は生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うちAIプロジェクト)」の支援を受けて行った.