The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

2. 遺伝・育種

遺伝・育種

Wed. Sep 18, 2019 2:00 PM - 4:45 PM 第III会場 (2番講義室)

座長:福田 智一(岩手大理工)、佐藤 正寛(東北大院農)、後藤 達彦(帯畜大農)、井上 慶一(家畜改良セ)

2:30 PM - 2:40 PM

[III-18-04] ホルスタイン種の暑熱ストレス耐性改良のためのカウダスデータの応用

*石田 惠香1、泉 慶一郎1、大澤 剛史2、山口 茂樹3、山崎 武志4、萩谷 功一1 (1. 帯畜大、2. 家畜改良セ、3. 家畜改良事業団、4. 農研機構北農研)

【目的】乳用牛の暑熱ストレス(HS)を表す指標として温湿度指数(THI)が使用される.THIには気温と湿度が必要になるが,湿度が記録される気象観測所は各県一か所程度しかない.一方,家畜改良事業団が開発したカウダスデータでは各牛群に対し,最寄りの気象観測所気温が割り当てられるが,それらの多くは湿度を含まない.そこで,本研究は,国内ホルスタイン種の乳量に対するHSを説明するため,各県の代表地点1か所から推定したTHIを使用した場合,および牛群に最も近い気象観測所の気温のみのデータを用いる場合における数学モデルの精度を比較することを目的とした.【方法】データは2011年から2015年までの初産牛289,823の泌乳記録および,気象庁が公表している気象記録を分析に用いた.THIは都府県または北海道14振興局ごとに代表地点の平均値を割り当てた.気温は各牛群に最寄りの気象観測所の平均気温(TNW)を割り当てた.分析には,共通効果に牛群年次,検定月,月齢および搾乳日数を母数効果,個体および残差を変量効果として用い,THI(76区分)またはTNW(56区分)を母数効果に含めた数学モデルを用いた.両数学モデルの予測誤差分散(PEV)を推定し,精度を比較した.【結果】PEV推定値より,TNWを含めた数学モデルの優位性が認められた.またTNWによるHSの影響が表れるしきい値は18℃前後であった.