The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

2. 遺伝・育種

遺伝・育種

Wed. Sep 18, 2019 2:00 PM - 4:45 PM 第III会場 (2番講義室)

座長:福田 智一(岩手大理工)、佐藤 正寛(東北大院農)、後藤 達彦(帯畜大農)、井上 慶一(家畜改良セ)

3:00 PM - 3:10 PM

[III-18-07] 乳用牛の受胎率を変化させたときの在群期間と乳量への影響予測

*佐々木 修1、相原 光夫2、西浦 明子1、武田 尚人1 (1. 農研機構畜産部門、2. 家畜改良事業団)

【目的】乳用牛では受胎率低下により,搾乳日数の延長,生涯乳量の低下,産次数の低下が起こると考えられることから,受胎率が変化したときの,在群期間や乳生産量の変化を計算した.【方法】シミュレーションとして,受胎率を現状の-5%から+5%まで変化させたときの,分娩間隔,産次構成,在群期間,乳量の変化を計算した.家畜改良事業団が収集した2006~2015年の10産までの人工授精記録(9,499,142件),2013~2015年の検定日乳量記録(3,363,489件)を解析に用いた.泌乳曲線は,地域・産次グループごとに,空胎日数66~345日について40日ごとに7つ作成した.【結果】受胎率を-5%から+5%まで高めると,北海道と都府県でそれぞれ,分娩間隔が19日と22日減少,産次数が0.28産と0.12産増加した.在群期間は北海道で1.9か月増加し都府県で0.5か月減少した.乳期乳量は北海道で267kg都府県で373kg減少した.生涯乳量は北海道で2,047kg増加したが,都府県では受胎率+1%のときに最大となり,-5%との差は185kg,+5%との差は34kgであった.年間乳量は,分娩間隔の短縮により,北海道で166kg,都府県で145kg増加した.これらのことから,受胎率が上昇したときの平均産次数,在群期間,年間乳量への効果は条件によって異なることを明らかにした.