日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2019年9月19日(木) 09:30 〜 11:30 第IV会場 (4番講義室)

座長:竹田 謙一(信州大)、長谷川 輝明(千葉県畜産総合研究セ)、青山 真人 (宇大農)

10:30 〜 10:40

[IV-19-07] 飼料タンパク質の給与水準の違いが泌乳牛のふん尿貯留中の温室効果ガス発生に及ぼす効果

*野中 最子1、大谷 文博1、樋口 浩二1、長田 隆1、春野 篤2、坂元 康晃2、藤條 武司2 (1. 農研機構畜産部門、2. 味の素)

【目的】乳牛の排せつ物を起源とする温室効果ガス排出を抑制することを目的とし,泌乳牛に低タンパク質飼料を給与し,ふん尿スラリー貯留から発生する温室効果ガスへの影響を検討した.【方法】ホルスタイン種泌乳牛4頭を供試し,TDN要求量を充足するように標準タンパク質(CP)飼料(標準区:CP16.4%),または,バイパスリジンを添加した低CP飼料(低CP区:CP12.9%)をクロスオーバー法により給与し,排せつふん尿を採取した.それらのふん尿を温度25℃,相対湿度70%の恒温室内に設置した2台の200Lスラリー貯留装置に,50 kg/2頭/区ずつ投入した.2週間後にさらに50kgずつ投入し(総量100kg/タンク),タンク貯留中に発生するNH3,N2O,CH4ガスを,36日間にわたり連続測定した.また,各投入時および試験終了時にスラリー中の汚濁物質濃度を分析した.【結果】タンクに投入された総窒素量は標準区541g,低CP区405gであり,給与CP水準を反映していた.36日間のNH3-N発生量は標準区2.5g,低CP区1.6g,N2O-N発生量は標準区0.043g,低CP区0.002gと,低CP区で低下した.一方,CH4発生量は標準区5.1g,低CP区3.7gと低CP区で低い数値であったが,その発生量は一般的な数値と比較して非常に小さかったため,処理間差はないと考えられた.