The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

Best Presentation Award 2

Sun. Mar 28, 2021 9:00 AM - 10:45 AM ライブ配信

座長:井上 慶一(家畜改良セ)、大山 憲二(神戸大学)、下桐 猛(鹿大農)、谷口 幸雄(京大院農)

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パスコード:328988

10:30 AM - 10:45 AM

[IIYS-07] 父母系および高密度SNPマーカーを用いたフィリピン在来ヤギの遺伝構造と伝播の推定

〇AYIN AYIN1, Risa Tabata1, Shinji Sasazaki1, Fuki Kawakuchi1, Eiji Kobayashi2, Yoshio Yamamoto6, Takahiro Yonezawa3, Jiaqi Wu4, Js Masangkay5, Hideyuki Mannen1 (1.Kobe Univ., 2.Naro, 3.Tokyo Univ. of Agri, 4.Tokyo Univ. of Agri & Tech , 5.UPLB, 6.Hiroshima Univ.)

【目的】本研究ではフィリピン在来ヤギ(PG)に対し父母系および高密度SNPマーカーによる解析を行い、遺伝構造と伝播経路の推定を目的とした。【方法と結果】フィリピン全土6地域7島から合計206個体を供試した。mtDNA解析:206個体に対しD-loop超可変領域(481bp)の塩基配列決定を行った。結果、ハプロループBは大陸から離れるほど高頻度になり、アジア東南部へ向かい頻度が高くなった。SRY解析:雄133個体に対し3‘UTR領域(543bp)の配列決定を行いハプロタイプに分類した。PGでは東南アジア大陸部とは異なるY1BとY2Aハプロタイプが確認された。高密度SNP解析:PG77個体に対してGoatSNP50 chipを用いた分析を行い、ヤギ12集団データを加え、Structure解析を実施した。その結果、K≧5では東南アジア集団間で類似した構造示す一方、PG集団のみでアフリカとヨーロッパ集団からの比較的高い割合の遺伝的混在が認められた。【考察】本研究の結果、1)東南アジア在来ヤギは西アジアとは異なる起源を持つ、2)PG集団は他の東南アジアとは異なる地域からの遺伝的影響を受けた、3)その理由として、フィリピンは長い間スペインの領有下で国際貿易が盛んであり、その航海路地域から持ち込まれた家畜ヤギの遺伝子流入の影響を受けた、ことが推察された。