The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. Management/Environment

[P6-31] 豚ふん堆肥化処理において亜硝酸酸化細菌源または竹炭添加がN2O発生に及ぼす影響

〇Yasuyuki Fukumoto1, Miyoko Waki1, Tomoko Yasuda1 (1.Institute of Livestock and Grassland Science, NARO)

【目的】畜産由来の温室効果ガス発生抑制のため、堆肥化処理からのN2Oを抑制するとされる2つの方法(亜硝酸酸化細菌添加、バイオ炭添加)について、豚ふん堆肥化試験でN2O発生に及ぼす影響を比較・検証した。【方法】200L容のリアクターに充填した水分調整後の豚ふん原料に、亜硝酸酸化細菌添加試験では1回目の切返し後に完熟豚ふん堆肥を、バイオ炭添加試験では開始時に竹炭粉砕物をそれぞれ重量比3%で表面に散布し、以降の切返し時に全体と混合した。【結果】亜硝酸酸化細菌添加試験では、完熟堆肥被覆後からN2O濃度が対照区より低く推移し、全体混合直後に添加区のN2Oの発生が速やかに終息することで、N2O発生量は約3割低減した。完熟堆肥添加区では対照区に比べて完熟堆肥混合後に亜硝酸酸化細菌数が高く推移し、亜硝酸態窒素の消失も早くなっており、これが、N2O発生が抑制された原因と考えられた。竹炭添加試験ではN2Oの発生終息時期に差はみられなかったが、ガス発生が顕著な時期に添加区の発生濃度が低く推移したことによりN2O発生量は約2割低減した。脱窒に関与する遺伝子のコピー数を調査した結果、N2Oの発生が顕著な時期に竹炭添加区でnosZ/nirK比が高くなる傾向があり、発生濃度低減に関与した可能性が推察された。本研究は、農林水産省プロジェクト研究「畜産分野における気候変動緩和技術の開発」の支援を受けて実施した。