[I-15-04] 黒毛和種育成牛および泌乳期乳牛へのモリンガ給与効果の検討
【目的】モリンガは,抗酸化物質であるビタミンE(VE)やβ-カロテンなどの機能性成分を豊富に含む植物である.飼料として活用することで,家畜の健康状態や生産性を向上させる可能性がある.そこで本研究では,黒毛和種育成牛および泌乳期乳牛へのモリンガ給与効果を検討した.【方法】試験1:黒毛和種育成牛5頭を供試し,乾燥粉末モリンガを1日2回7日間,0.5g/kgおよび1.0g/kgをお湯に溶かしたモリンガ懸濁水を給与する区(0.5g区および1.0g区),お湯のみを給与する区(対照区)を設定した.給与開始前日をd0としd15まで血液を採取し,血中VE濃度および日増体量を測定した.試験2:ホルスタイン種泌乳牛を7~8頭供試し,乾燥粉末モリンガを1日1回14日間,1.0g/kg給与する区(給与区)と給与しない区(対照区)を設定した. 給与開始前日をd0としd28まで血液および生乳を採取し,血中VE濃度および一般乳成分を測定した.【結果】試験1:d7の血中VE濃度について,1.0g区で高く(p<0.05),日増体量の増加傾向がみられた.試験2:給与区で,血中VE濃度および乳脂率が高い傾向がみられた(P=0.2およびP=0.06).以上より,ウシへの1.0g/kgモリンガ給与により,血中VE濃度が向上し,日増体量あるいは乳質を向上させる効果を期待できることが示唆された.