日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼料2

2021年9月15日(水) 12:40 〜 15:00 栄養・飼料 (オンライン)

座長:友永 省三(京大院農)、豊田 淳(茨大院農学)、杉野 利久(広大院生物圏)、塚原 隆充(栄養・病理研)

[I-15-27] 給餌時刻や回数がヤギの血糖値および活動量の日内変動に及ぼす影響

*浅野 早苗1、大石 美香1、小林 奎人1、玉元 麻理耶1、村山 美森1、梶川 博1 (1. 日大生資科)

【目的】時間栄養学を家畜生産へ応用することは、飼料効率の向上に繋がると期待されるが、前胃に発酵槽を持つ反芻動物においては、給餌刺激が体内時計にどのように影響するかはよく分かっていない。そこで本研究では、同一の光条件下で給餌時刻や回数を変えることで、給餌刺激がヤギの血糖値および活動量の日内変動に及ぼす影響について調査した。【方法】シバヤギ去勢雄4頭を環境制御室(明期:7~19時,暗期:19~翌7時,室温:25度)の単房に収容し、維持量のヘイキューブを1日1回9時(朝給餌区)または17時(夕方給餌区)に、あるいは朝夕2回等量に分けて(2回給餌区)給与した。血糖値はFreeStyleリブレPro(Abbot)を、活動量はライフコーダEX(スズケン)を用いて日内変動を記録した。血糖値データは解析NINJA(中立電機)を、活動量データはActogramJ(Schmid et al. 2011)を用いてリズム解析を行った。【結果】血糖値のリズムパラメータについては、周期および振幅は区間で差は見られなかったが、位相時間は朝給餌区で早くなる傾向にあった。活動量の周期はどの区も24時間であったが、明期活動量は2回給餌区で増加する傾向が認められ、有意差はなかったものの暗期活動量は朝給餌区で低くなった。以上の結果から、反芻動物においても給餌刺激によって体内時計をコントロールできる可能性が示唆された。