日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼料2

2021年9月15日(水) 12:40 〜 15:00 栄養・飼料 (オンライン)

座長:友永 省三(京大院農)、豊田 淳(茨大院農学)、杉野 利久(広大院生物圏)、塚原 隆充(栄養・病理研)

[I-15-28] わかめ茎を用いた発酵TMRサイレージの飼料価値評価と緬羊への給与効果の検討

*田島 栞1、韓 紅燕1,2、山中 清華1、辻野 滉太1、勝俣 沙智1、石田 顕也1、紺野 琢磨3、大石 風人1、広岡 博之1、熊谷 元1 (1. 京大院農、2. 内蒙古大院生命、3. リファインホールディングス)

<目的>宮城県では非食用わかめ茎をチモシー乾草と配合飼料とともに現物比6:2:2で混合し発酵TMRサイレージ(WS)を調製している。緬羊を用いたin vivo試験によりWSの飼料価値をトウモロコシサイレージ(CS)と比較検討した。<方法>去勢緬羊4頭を用いて全糞全尿採取による反転法の試験(予備期9日、本期5日)を実施した。実際のホゲットの飼養を想定し、サイレージ、チモシー乾草、配合飼料を乾物比40:36:24で給与する試験(S1)およびサイレージ単体を給与する試験(S2)を実施した。<結果>V-スコアはWSが95.2、CSが95.8で同等であった。S1では、乾物摂取量、各成分の消化率、飲水量と排尿量、窒素出納、第一胃液性状、血液性状はWS区とCS区で有意差は認められなかったが、WS区のADF消化率が低く(P=0.07)、第一胃液中NH₃-N濃度が給餌前に低く給餌後に高い傾向(P=0.08)があった。S2において、WSとCSの乾物消化率およびTDNは各々62.7%vs64.7%、60.3%vs62.0%で有意差は認められなかった一方、飲水量と排尿量はWS区がCS区に比較して多かった(P<0.05)。以上より、WSの単独給与はその食塩含量(乾物中0.9%)の高さが飲水量と排尿量を増加させるが、消化率とTDNはCSと同等であり、実際の飼養状況でもCSと同等の飼料価値を示すと考えられる。