日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼料2

2021年9月15日(水) 12:40 〜 15:00 栄養・飼料 (オンライン)

座長:友永 省三(京大院農)、豊田 淳(茨大院農学)、杉野 利久(広大院生物圏)、塚原 隆充(栄養・病理研)

[I-15-32] 実験動物用飼料がマウス脳のキヌレニン濃度におよぼす影響

*谷島 優平1、奥野 海良人2、中村 勇3、宮崎 照雄5、本多 彰5、豊田 淳1,4 (1. 茨大院農学、2. 柴田学園大生活創生、3. 茨城県立医療大保健医療、4. 農工連大院農学、5. 東医大茨城医療センター)

【目的】動物のストレス感受性は遺伝要因と環境要因に影響される。私共は、飼料が心理社会的ストレスモデルマウスのストレス感受性に影響し、その現象に代謝産物が関与する可能性を見出している。本研究ではストレス感受性に関係する脳のキヌレニンに着目し、代表的な市販飼料の給与がマウスのキヌレニンや他の代謝物におよぼす影響を評価した。 【方法】C57BL/6Jを3群に分け、それぞれMF、AIN-93G、AIN-93Mを19日間給餌した。給与期間後、血漿、脳、尿を採取した。 血漿、脳のトリプトファン、キヌレニン濃度はHPLCで定量した。血漿遊離アミノ酸濃度はLC-MS/MSで定量した。尿中代謝産物はGC-MS/MSで定性した。 【結果・考察】AIN-93Gおよび-93M飼料を給餌した群の血漿キヌレニン濃度は、MF給餌群と比較して低かった。一方、AIN-93G給餌群の海馬キヌレニン濃度は、MF給餌群と比較して高かった。末梢のキヌレニンの脳内輸送は、大分子中性アミノ酸(LNAA)と競合するため、血漿中LNAA濃度を測定したが飼料による差は見られなかった。一方、尿中キノリン酸レベル はMF給餌群で他の群よりも高くなることが明らかとなった。