日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

2. 遺伝・育種

育種・遺伝1

2021年9月15日(水) 08:30 〜 12:00 育種・遺伝 (オンライン)

座長:山崎 武志(農研機構北農研)、馬場 俊見(日ホ北支局)、萩谷 功一(帯畜大)、井上 慶一(家畜改良セ)、西尾 元秀(農研機構畜産部門)、荒川 愛作(農研機構 畜産研究部門)

[II-15-11] 最新の画像解析手法を用いた黒毛和種のモモ抜けに及ぼす要因調査

*阿部 紗奈1、今野 紗知2、関谷 万里生2、口田 圭吾3 (1. 帯畜大院、2. 秋田畜試、3. 帯畜大畜産)

【目的】黒毛和種のモモの脂肪交雑は、「モモ抜け」と呼ばれ評価されている。モモ抜けは購買者が経験に基づいて枝肉外観などから予測しており、学術的な調査はあまりない。枝肉各部位における脂肪面積割合からモモ抜けに影響する要因について調査した。【方法】2019年4月~2020年6月に屠畜された黒毛和種222頭の格付、血統情報ならびに部分肉加工時の撮影画像を使用した。撮影箇所は、オオモモ、第6-7横断面、リブロース、サーロイン、ランプおよびウチモモの6か所である。画像解析は新適応二値化処理により得られた画像をMIJクラウドサービスで解析した。統計分析では、脂肪面積割合を第6-7横断面の脂肪面積割合で除したものを「モモ抜け比」として使用した。従属変数を各部位のモモ抜け比、性別、月齢、系統、BMSを説明変数とした分散分析を実施した。【結果】各部位の脂肪面積割合の平均は、オオモモ:37.8±6.3%、第6-7横断面:59.1±6.3%、リブロース:50.1±7.7%、サーロイン:61.0±6.9%、ランプ:41.6±7.1%およびウチモモ:35.4±6.3%となった。オオモモおよびサーロイン以外の部位で系統による有意差が認められ、最小二乗平均値は藤良、気高、田尻の順に高かった。オオモモおよびリブロースのモモ抜け比についてはBMSによる有意差が認められ、BMS12が有意に高いモモ抜け比を示した。