育種・遺伝2

[II-15-21] ブタ３品種集団のレジリエンス形質における遺伝的パラメーターの推定

*本間 智尋¹、廣瀬 健右²、伊藤 哲也²、上川 舞²、東間 千芽²、二階堂 聡³、佐藤 正寛¹、上本 吉伸¹ (1. 東北大院農、2. 全農飼畜中研、3. 全農畜産サービス)

【目的】ブタにおいて、自動給餌機から得られる採食記録から、その日々の変動幅を表したレジリエンス形質がストレス指標として提案されている。本研究では、ブタ３品種集団のレジリエンス形質における遺伝率を推定するとともに、飼料利用性形質との遺伝的関連性を調査した。【方法】３品種6103頭（大ヨークシャー種1193頭、ランドレース種3010頭、デュロック種1900頭）について、30kgから100kgまでの検定期間の飼料摂取量および体重を用いた。レジリエンス形質は、採食量、採食時間および給餌機への訪問回数を対象に、日々の変動幅を算出し、遺伝率を推定した。次に、それら形質と飼料利用性形質との遺伝相関を推定した。【結果】レジリエンス形質の遺伝率は、0.31から0.40と中程度の値が推定され、３品種間に差はみられなかった。飼料利用性形質である飼料要求率および余剰摂取増体重との遺伝相関は、採食量および訪問回数との遺伝相関の絶対値で約0.3の望ましい値が推定され、採食時間とは低い値（0.01）が推定された。また、３品種間で遺伝相関に差はみられなかった。以上より、レジリエンス形質は遺伝性を示し、飼料利用性形質とは、無または望ましい遺伝相関が推定され、品種間に差はみられなかった。