日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

2. 遺伝・育種

育種・遺伝2

2021年9月15日(水) 12:40 〜 14:40 育種・遺伝 (オンライン)

座長:岡村 俊宏(農研機構畜産部門)、増田 豊(酪農大農食環境)、谷口 雅章(農研機構畜産研)

[II-15-31] ウシの肉量および肉質のバイオマーカーとしての血中マイクロRNAに関する基礎的検討

*足立 裕哉1、平野 亘1、谷口 幸雄1、横井 伯英1 (1. 京大院農)

【目的】近年、血液中に存在するマイクロRNAがバイオマーカーとして有用であることが報告されている。本研究では、ウシの肉量や肉質の指標となる血中マイクロRNAを同定することを最終目標として、血中エクソソーム画分とそれ以外の画分からそれぞれ抽出したマイクロRNAについて、qPCR解析における内部標準、エクソソーム内外における存在量の相関、異なる月齢での変動について基礎的検討を行った。【方法】京都大学農学研究科附属牧場にて飼養中の肥育初期、中期、後期の黒毛和種肥育牛9頭から血漿を採取し、エクソソーム内外からそれぞれRNAを抽出した。低分子RNAに特化したcDNA合成を行い、qPCR解析における内部標準候補として4種類の低分子RNAを検討した。さらに、血中に存在することが報告されている10種類以上のマイクロRNAについて存在量を測定した。【結果】血漿中エクソソーム内外から抽出したマイクロRNAのqPCR解析において、それぞれmiR-15aとmiR-93が内部標準として適していることが示された。エクソソーム内外におけるマイクロRNAの存在量の相関は、極めて強いものから弱いものまで様々であった。さらに、肥育初期から後期にかけてエクソソーム内外の複数のマイクロRNAの存在量に変動が認められた。今後、肥育期間中の血中マイクロRNAと屠畜時の肉量および肉質との関連を検討する予定である。