日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

3. 繁殖・生殖工学

繁殖・生殖工学

2021年9月15日(水) 09:00 〜 11:30 繁殖・生殖工学 (オンライン)

座長:松山 秀一、松本 浩道、杉村 智史(東京農工大学)、水島 秀成(北大院理学)

[III-15-02] 第二胃内留置型自動体温測定器で測定したホルスタイン種経産牛の分娩前1週間の体温変化と分娩時間帯の関係

*古川 瑛理1、高橋 昌志2、松崎 明3、唄 花子2、永野 昌志4、片桐 成二1、栁川 洋二郎1 (1. 北大院獣、2. 北大院農、3. The Better、4. 北里大獣)

【目的】牛では飼養管理者の負担軽減を目的として夜間給餌による昼間の分娩の誘導が実施されているが、昼間および夜間分娩時の生理学的な違いは詳しくわかっていない。今回、昼間および夜間に分娩した牛の分娩前の体温の動態の違いに関して新たな知見を得たので、報告する。 【方法】北海道大学附属農場で飼養しているホルスタイン種経産牛17頭を用い、第二胃内留置型自動体温測定器(LiveCareシステム、株式会社The Better、東京)で1時間ごとに計測した温度(体温)データを解析した。分娩時間帯に基づいて昼間分娩群(6-18時、n=8)および夜間分娩群(18-6時、n=9)に分類して解析した。 【結果とまとめ】体温の日内変動をみると、飲水と採食の影響を受けて昼間に体温が低くなる傾向がみられた。分娩難易度、子牛性別および子牛体重による分娩時間帯の違いはなかった(P>0.1)。夜間分娩群では昼間分娩群より1日早い分娩12日前から体温が上昇した。また、両群ともに分娩1日前から0.4℃程度の急激な低下がみられた。日内の3時間毎の平均体温および分娩前7日間の各日の平均体温は夜間分娩群で昼間分娩群より0.15―0.36℃高く推移した(P<0.05)。本研究によって、夜間に分娩する牛では分娩前1週間の体温が昼間に分娩する牛より高いことが判明し、分娩前1週間の体温が分娩時刻推定の指標になる可能性が示された。