日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理2

2021年9月15日(水) 13:00 〜 14:40 形態・生理 (オンライン)

座長:太田 毅(京大院農)、川端 二功(弘前大農生)、西村 正太郎(九大院農)

[IV-15-21] 哺乳中の母めん羊へのタンパク質追加給与が産子の発育, 血中成分濃度および血しょうメタボローム測定結果に及ぼす影響

*木村 友美1、房 家琛2、松﨑 正敏2 (1. 弘前大院農生、2. 弘前大農生)

【目的】代謝的プログラミングによる体質改変と生産性制御への応用が期待されている. そこで, 哺乳中母羊のタンパク栄養強化による初期栄養制御が産子の発育, 血中成分濃度, 血しょう中メタボロームに及ぼす影響を調べた. 【方法】同一種雄羊と交配後, 自然分娩したサフォーク種経産母羊とその産子を対照区と大豆粕追加給与区(SBM区)に3腹ずつ配置して56日齢まで自然哺育し, 71日齢から140日齢まで体重比4%の飼料原物(粗濃比1:1)給与で飼育した. SBM区の母羊には分娩後7日目から離乳まで給与飼料原物の10%の大豆粕を追加給与した. 経時的に採取した母羊および子羊の血しょう中の代謝成分とホルモン濃度を測定した. 56および140日齢時の子羊EDTA血しょうをCE-TOFMSによりメタボローム解析した. 【結果】対照区4頭(単胎2, 双胎1)およびSBM区5頭(単胎1, 双胎2)の産子の生時体重に差はなかった. SBM区の母羊のCP摂取量とBUN濃度が高かったが, 体重, 血中成分濃度に区間差はなく, 産子の増体, 飼養成績, 血中成分濃度にも区間差はみられなかった. 離乳時の子羊血しょうで検出された代謝物質265のうち9物質で, 140日齢の238の代謝物質のうち5物質で区間差が検出され, 56日齢と140日齢の比較では269の代謝物質のうち83物質で差がみられ, 代謝物質のプロファイルは加齢による大きな変化が認められた.