日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理2

2021年9月15日(水) 13:00 〜 14:40 形態・生理 (オンライン)

座長:太田 毅(京大院農)、川端 二功(弘前大農生)、西村 正太郎(九大院農)

[IV-15-24] ニワトリ皮膚におけるコラーゲン及びエストロゲン受容体の発現に及ぼすエストラジオールの影響

*西村 正太郎1、荒井 彩也香2、大谷 瑞樹2、下村 友里2、田畑 正志1 (1. 九大院農、2. 九大院生資環)

【目的】皮膚は全身を覆い外界からの刺激に対して体を保護する重要な器官である。ニワトリの皮膚の厚さや強度は部位間や雌雄間で異なるが、雌雄差については性ホルモンの影響が予想される。そこで本研究では、ニワトリ皮膚のコラーゲン合成におけるエストロゲンの作用について検討を行った。【方法】5週齢のロードアイランドレッドのオス8羽を試験群と対照群に分け、試験群には80 ng/kgのエストラジオールを3週間投与した。投与後、頚部、胸部及び背部より皮膚を採取し、total RNAを調整してCOL1A1ESR1ESR2 及びGPERについてリアルタイムRT-PCRによる遺伝子解析を行った。【結果】群間の比較では、いずれの遺伝子についても各部位において発現量に有意な差は認められなかった。一方、部位間で比較した場合、対照群ではCOL1A1の発現量に差は見られなかったものの、試験群では胸部におけるCOL1A1の発現量が他の部位に比べて有意に大きかった(p<0.01)。エストロゲン受容体に関しては、ESR1の発現量において試験群では胸部が他のいずれの部位よりも有意に大きい結果となった(p<0.001)。ESR2及びGPERについては、いずれの組み合わせでも有意差は認められなかった。以上のことより、エストラジオールはニワトリの胸部皮膚におけるコラーゲン合成を他の部位よりも強く刺激することが示唆された。