日本畜産学会第129回大会

講演情報

パラレルシンポジウム

パラレルシンポジウムI
家畜におけるゲノミック評価の現状と今後の展望

2021年9月15日(水) 15:00 〜 17:00 パラレルシンポジウム2(上本) (オンライン)

世話人・座長:上本 吉伸(東北大院農)

15:40 〜 16:10

[PSY1-02] 乳用牛の遺伝的能力評価の現状

*佐分 淳一1 (1. (独)家畜改良センター)

家畜改良センターが行うホルスタイン種の遺伝的能力評価では2017年2月よりゲノミック評価が本格的に導入され、一部形質を除き、SNP検査済み個体についてはゲノミック評価値を公表している。現在、種雄牛では年2回、経産牛では年3回、若雄牛や未経産牛では年12回評価を実施している。 ゲノミック評価の国際的な流れとしては、雌牛リファレンスの利用や、今までの後代検定では改良が難しいとされてきた、遺伝率が低くデータ収集が困難な形質に関する研究に注目が集まっている。日本においても、新たな形質として暑熱耐性指数の導入や、総合指数に長命性に関する形質である在群能力を含めることが検討されている。 インターブルが行うホルスタイン種の国際評価では、29の国と地域が参加し、年3回の国際評価値(MACE)を公表している。日本はゲノミック情報を使った国際評価には参加していないが、若雄牛のゲノミック評価に対する国際評価値であるGMACEには13の国と地域が参加し、SNP情報を共有するインターゲノミックスは、小規模ながらホルスタイン種においても実施されている。また、SNP情報自体の提供を伴わない新たな国際評価であるSNP-MACEの導入も検討されている。