日本畜産学会第129回大会

講演情報

パラレルシンポジウム

パラレルシンポジウムIII
黒毛和種の子牛飼養管理と生理・生体情報の活用

2021年9月15日(水) 16:00 〜 18:00 パラレルシンポジウム3(盧) (オンライン)

世話人・座長:盧 尚建(東北大学・大学院農学研究科)

16:10 〜 16:30

[PSY3-01] 黒毛和種子牛の飼養管理の重要性

*木村 信熙1 (1. 木村畜産技術士事務所)

今、黒毛和種子牛の飼養管理が注目され、子牛の栄養生理が重視されている理由はいくつかある。1つは新規に和牛の哺育・育成に参入する人が増え、哺育育成技術の習得の必要性が高まっていることである。これは肥育専門から繁殖肥育一貫に経営を発展させる農場が増えたこと、そして乳牛からの黒毛和種子牛生産が増えたことによる。2つ目の理由は哺育・育成期の飼養管理が、その後の肥育成績や肉質に影響を及ぼすことがわかってきたことである。そして3つ目の理由は、虚弱な和牛子牛が多くその対処に苦慮していることである。これらは飼養管理の自動化とも関連して、新たな研究と技術の導入が求められている。 本講演では、子牛生産構造の変化と、それに伴う哺育・育成の飼養管理技術を紹介する。未確定、未解決、新技術として注目されるものには、母牛の栄養管理と虚弱子牛の関係、様々な飼養条件(虚弱子牛、自動哺乳、群飼育の開始、長距離輸送など)における栄養管理法(ビタミン、ミネラル、特殊成分、栄養と免疫の確保、施設など)、哺育期の粗飼料の有無と子牛の栄養生理、子牛の栄養と遺伝子発現(エピジェネティック)、子牛のアニマルウェルフェア管理などがある。