日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境、畜産経営

管理・環境、畜産経営

2021年9月15日(水) 09:00 〜 11:30 管理・環境、畜産経営、動物福祉 (オンライン)

座長:猫本 健司(酪農大農食環境)、多田 慎吾(農研機構)、椎葉 湧一朗(信州大学)、阪谷 美樹(農研機構)

[VI-15-07] 搾乳牛舎における日長時間と照明波長の違いが乳牛の乳生産に及ぼす影響

*高倉 佑典1、渡邊 龍之介2、砂留 光利2、金川 立樹1、川和田 優3、小櫃 剛人1、篠原 禎忠2、杉野 利久1 (1. 広大院統合生命、2. ホクレン訓子府実証農場、3. 大作商事)

【目的】乳牛の飼養管理において光周期コントロールは重要であり、生産性の向上が期待できる。近年、牛舎照明として利用されているブルーライトの強い白色LED照明(LED)は乳牛の乳生産に影響する可能性がある。そこで本研究は、ブルーライト波長がLEDよりも低い無電極照明(iEL)に着目し、日長時間および照明波長の違いが乳牛の乳生産に及ぼす影響について検討した。【方法】供試動物はタイストール牛舎のホルスタイン搾乳牛10頭を用いた。 試験は冬期に、1期3週間とする3期の試験期を設け、1期は短日管理(SDPP)区、2および3期は長日管理(LDPP)区とし、2期および3期はLED区およびiEL区の2区を設けた。調査項目を乾物摂取量(DMI)、乳量、反芻時間および乳成分とした。【結果】DMIはLDPP区で減少したが、4%脂肪補正乳量はLDPP区で増加する傾向、飼料効率はLDPP区で高値を示した。乳糖率はLDPP区で低値を示す傾向、乳中尿素窒素は低値を示した。その他乳成分には両区に差はなく、反芻時間にも違いはなかった。一方で、LEDとiELの比較に関しては、全項目において差は認められなかった。以上のことから、長日管理により乳量は増加することが明らかとなったが、長日条件下において照明波長の違いは、本実験検証の環境下の範囲において乳生産に影響しない可能性が考えられた。