日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境、畜産経営

管理・環境、畜産経営

2021年9月15日(水) 09:00 〜 11:30 管理・環境、畜産経営、動物福祉 (オンライン)

座長:猫本 健司(酪農大農食環境)、多田 慎吾(農研機構)、椎葉 湧一朗(信州大学)、阪谷 美樹(農研機構)

[VI-15-11] 気象データを用いた暑熱環境指標の作成と屋内外における麦わら乾燥との関係解析

*舘林 亮輝1、木村 建介1、佐々木 華織1、丸山 篤志1 (1. 農研機構 農業環境部門)

【目的】暑熱は、家畜のストレスなどに影響すると同時に飼料作物の乾燥に影響する重要な環境因子である。本研究では、メッシュ農業気象データから暑熱指標の算出に使われる要素の推定式を作成するとともに関東の高温地域を対象に暑熱環境の評価を行った。また、屋内外の気象観測を行い、同指標が飼料作物の乾燥に与える影響を評価した。【方法】メッシュ農業気象データを利用して日最小相対湿度(RHmin)を推定することで、毎日の温湿度指数(THI)、湿球黒球温度(WBGT)の最大値を計算し、それら指標の関東地域での広域分布および高温地点における季節変化を調べた。また、ハウス内外にて気象観測を行い、それらの指標と稲架掛けした麦わらの乾燥速度との関係を解析した。【結果】初めに、日最小相対湿度の推定式として、RHmin = RHavees(Tmin)/{ω・es(Tmax)+(1-ω)・es(Tmin)}が得られた。ここで、ωは重み係数、RHave は日平均相対湿度、es(Tmax)およびes(Tmin)は日最高・最低気温時の飽和水蒸気圧を表す。次に、同式と気象データを利用して得られたTHIおよびWBGTの日最大値は8月に最も高い値を示し、中でも高温地域として知られる内陸の館林、熊谷、桐生周辺が高い傾向にあることが分かった。現在、これら暑熱指標が麦わらの乾燥に与える影響について解析している。