09:40 〜 09:50
[I-16-05] 血清総タンパクおよびγ-グロブリン濃度を用いた子牛の血清IgG濃度の推定
【目的】子牛の受動免疫獲得について,血清IgG濃度の新基準が米国で発表された.新基準では,IgG濃度を4つのカテゴリーに分けて子牛の罹患率や死廃率を評価されるため,より正確な血清IgG濃度の推定が必要となる.本研究では,血清総タンパク(TP)およびγ-グロブリン(γ-GLB)濃度から血清IgG濃度を推定するモデルを検討した.【方法】ホルスタイン子牛129頭を供試し,出生後最初の給与時に初乳を与えられた群(初乳給与群,n=74)と代用初乳を給与された群(代用初乳給与群,n=55)に区分した.1-7日齢で頸静脈から採血を行い,血清TP,γ-GLBおよびIgG濃度を測定した.測定後,血清TPまたはγ-GLB濃度から血清IgG濃度を推定する一般化線形化モデルを作成し,不適合度検定(LOF)により解析した.【結果】初乳給与群および代用初乳給与群のいずれにおいても,血清TP濃度よりもγ-GLB濃度を用いたモデルの方がRMSEは低く(TP:4.44および5.43 vs. γ-GLB:3.33および2.05),R2値も高かった(TP:0.85および0.69 vs. γ-GLB:0.91および0.96).また血清TP濃度を用いたモデルは,LOFで有意であった.これらの結果から,血清γ-GLB濃度を用いることで,血清IgG濃度をより正確に推定できることが示された.