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[I-16-06] 国内における子牛の受動免疫獲得状況と罹患率の比較
【目的】子牛の受動免疫獲得について,血清IgG濃度の新基準が報告された.そこで,国内の子牛の受動免疫獲得状況と罹患率の関係性を明らかにすることを目的とした.【方法】出生後初乳または代用初乳給与後,3-7日齢で若齢預託牧場に導入されたホルスタイン雌子牛227頭を対象に,導入時に頸静脈から採血を行い,γ-GLBを測定した.測定後,γ-GLBから血清IgG濃度を推定し,4つのカテゴリーに分類した(Poor:<10g/L,Fair:10-17.9g/L,Good:18-24.9g/L,Excellent:≥25g/L).8週齢まで1週齢毎に採血し,血清IgG濃度を推定した.罹患率は診療記録から算出した.【結果】子牛を新基準で分類した場合,Poorが39.6%,Fairが29.5%,Goodが11.0%,Excellentが19.8%であり,週齢毎の推定血清IgG濃度は4週齢までカテゴリー間で差があった.罹患率を隣接するカテゴリー間で比較すると,FairとGood間で低下する傾向があった.4週齢における消化器疾病の罹患率は,GoodとExcellent間で低下した.また8週齢における呼吸器疾病の罹患率も同様の傾向が認められた.以上より,疾病罹患率の低下するGood以上の子牛は牛群の30%であり,消化器・呼吸器疾病罹患率を低下するには血清IgG濃度25g/L以上が望ましいことが示された.