日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養1

2022年9月16日(金) 09:00 〜 12:00 Zoom会場1 (オンライン)

座長:梶川 博(日本大生物資源科学)、三森 眞琴(農研機構畜産研究部門)、神谷 充(農研機構中央農研)、福間 直希(帯広畜産大学)、杉野 利久(広大院生物圏)

10:10 〜 10:20

[I-16-08] in vitro培養における微細藻類の大豆粕代替効果

*蒲生 登喜央1、海老根 大志1、中原 禎仁2、下司 誠2、竹田 俊之2、岡部 年孝2、小川 照彦2、小櫃 剛人1、杉野 利久1 (1. 広島大院統合生命、2. 三菱ケミカル)

【目的】微細藻類のタンパク質栄養価は大豆や小麦と同等であると言われている.そこで本研究ではタンパク質飼料である大豆粕の粗タンパク質(CP)の一部を微細藻類で代替し,ルーメン内発酵性をin vitro培養を用いて評価した.【方法】試験にはスピルリナ(CP:75%),クロレラ(CP:67%),ナンノクロロプシス(CP:54%),および脱脂したナンノクロロプシス(CP:62%)を用いた. オーツ乾草と大豆粕を混合(CP:19.8% NDF:47.4%)した基礎飼料を対照として,大豆粕CP含量の25%,50%および75%を微細藻類で代替した区を設けた.2頭のホルスタイン種乳牛から得た混合ルーメン液をMcDougall緩衝液と1:2で混合し培養液とし, 39℃で24時間培養した.【結果】スピルリナおよび脱脂したナンノクロロプシスにおいて,総ガス発生量は含量の増加に伴い直線的に減少した.乾物消化率はクロレラとナンノクロロプシスにおいて含量の増加に伴い直線的に減少したが,スピルリナでは対照区と比較して減少は見られなかった.また,スピルリナにおいては含量の増加に伴い,DMあたりのアンモニア生成量,プロピオン酸,酪酸および総VFA濃度が直線的に増加する傾向が見られた.以上のことからスピルリナは,他の微細藻類と比較してルーメン内発酵性の高いタンパク質飼料として利用できる可能性が考えられた.