日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養1

2022年9月16日(金) 09:00 〜 12:00 Zoom会場1 (オンライン)

座長:梶川 博(日本大生物資源科学)、三森 眞琴(農研機構畜産研究部門)、神谷 充(農研機構中央農研)、福間 直希(帯広畜産大学)、杉野 利久(広大院生物圏)

11:00 〜 11:10

[I-16-13] 液体ビール酵母のヤギによる飼料評価

*劉 春艶1、浅野 早苗1、鈴木 麻里奈1、増田 紗季1、湯田 奏子1、渡邊 由菜1、梶川 博1、高橋 慶2 (1. 日本大学位院生物資源科学研究科 、2. 環境テクシス)

【目的】家畜用飼料の低い自給率と輸入飼料価格の高騰が問題になっている一方で、食品加工工程で発生する副産物は多量に廃棄されており、これら未利用資源を家畜用飼料として利用することが望まれている。本研究では、液体ビール酵母給与時の消化率、N出納、ルーメン発酵および血液性状を大豆粕と比較した。【方法】去勢雄シバヤギ4頭に、基礎飼料のアルファルファキューブを、液体ビール酵母とDM17%で置換したビール酵母区、およびビール酵母区とCP含量を同一(23%)になるよう基礎飼料を大豆粕12%(DM)と置換した大豆粕区を設けた。全糞・全尿採取による消化・出納試験を実施し、飼料給与後2~3時間目にルーメン液及び血液を採取した。【結果】液体ビール酵母の水分は8%、およびCPとNFCは各43、45%DMであった。ビール酵母区は大豆粕区よりNFC以外の消化率が有意に低く、液体ビール酵母のTDNは68%DMであった。尿中N排出量には両区で差が見られなかったが、ビール酵母区は糞中N排出量で有意に高く、N蓄積量で低い値が示された。プロトゾアを含むルーメン内性状や尿中プリン体から推定した微生物合成量には差は見られなかった。血液性状では、ビール酵母区がBUNで低く、アセト酢酸で高い値を示した以外は、両区間で差は見られなかった(血糖、総蛋白、TG、NEFA、総ケトン体、AST、ALT、酸化ストレスマーカー)。