日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養1

2022年9月16日(金) 09:00 〜 12:00 Zoom会場1 (オンライン)

座長:梶川 博(日本大生物資源科学)、三森 眞琴(農研機構畜産研究部門)、神谷 充(農研機構中央農研)、福間 直希(帯広畜産大学)、杉野 利久(広大院生物圏)

11:20 〜 11:30

[I-16-15] 活性型酵母およびバイパスビタミンC混合添加物の給与が乳用初産牛における 周産期の栄養状態および繁殖成績に与える影響

*吉田 智佳子1、南澤 萌梨1、加藤 ゆめみ1、市川 諒1、村上 大貴2、Maria Aniskina2、田中 繁史1、髙橋 若菜1、西川 孝一1、田川 伸一3、國實 寿典4 (1. 新大農、2. 新大院自然研、3. 日本甜菜製糖株式会社、4. 清水港飼料株式会社)

【目的】乳用ホルスタイン種初産次の周産期における栄養状態および繁殖成績に,活性型酵母(サッカロマイセス),バイパスビタミンC,ビタミンB5 およびカビ毒吸着剤が含まれる混合添加物(VCM)の給与の効果を明らかにする。【方法】試験区(n=4)には分娩前20日から分娩後20日までVCMを500 g/日を与え,対照区(n=4)とエネルギー充足率が同等になるよう飼料給与量を設定した。分娩後90日目までの栄養状態を,乾物摂取量(DMI),エネルギー充足率,体重,BCS,ルーメン㏗および血液成分で比較した。繁殖成績を,乳中プロジェステロン濃度の測定による卵巣機能の回復状況,分娩後120日での発情発見率,受胎率および妊娠率で評価した。【結果】試験期間中のDMIは両区で差は無かった。試験区では,分娩直後のエネルギー充足率の低下と体重の減少率が対照区より大きかったが,対照区より早期に回復に転じた。ルーメンpHは,両区とも正常値だが試験区の方が高い傾向があった(p=0.062)。BHBAは供試牛全頭が正常値を示した。TG(中性脂肪),γ-GTPおよびASTは両区とも正常値を示した。NEFAは対照区の1頭を除き正常値を示した。卵巣機能は,試験区の4頭,対照区の2頭が正常に回復し,卵巣静止の1頭は蹄疾患により90日目以降に生産から除外された。分娩後120日での繁殖成績は両区で同様であった。