日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養2

2022年9月16日(金) 13:00 〜 17:00 Zoom会場1 (オンライン)

座長:黒澤 亮(東京農大)、泉 賢一(酪農大農食環境)、河合 正人(北大FSC)、塚原 隆充(栄養・病理研)、川瀬 貴博(栄養・病理学研究所)、石川 翔(兵庫淡路農技セ)、熊谷 元(京大院農)、平山 琢二(石川県大生物資源)

13:10 〜 13:20

[I-16-19] 北海道草地型酪農地域内の隣接した町内で生産された生乳の乳成分および香気成分

*三谷 朋弘1、呉 成真1、河合 正人2、上田 宏一郎1 (1. 北大院農、2. 北大FSC)

【目的】北海道の草地型酪農地域では基礎飼料が牧草飼料に限定されるため、同地域内で生産される生乳の成分には大きな差異はないと認識されている。しかし、隣接した地域であっても地理的条件などの違いから乳成分が異なる可能性がある。本研究では同地域内の隣接した町で生産された生乳成分および香気成分の地域間および季節間の違いを検討した。【方法】夏(8-9月)および冬(2-3月)に、北海道の草地型酪農地域内の隣接した3つの町(A、BおよびC町)から集乳された生乳を集乳された日毎に混合し、分析サンプルとした。夏は5日分で5サンプル、冬は8日分で8サンプルであった。各サンプルの理化学成分(脂肪酸組成、ビタミンおよびカロテノイド含量)および網羅的香気成分を分析した。【結果】理化学成分では、まず季節間で大きな違いがあり、冬期はDe novo脂肪酸含有量が高く、夏は共役リノール酸(CLA)やトランスバクセン酸(TVA)の含量が高かった。A町はCLAやTVA含量が高く、B町はDe novo脂肪酸、C町はPre formed脂肪酸、リノール酸含量が高い傾向にあった。この地域間の違いは夏、冬、同様の傾向であった。香気成分では、A町はイソケトン類、B町はベンゼンやジメチルスルフィド、C町はγ-ラクトン類が高い傾向にあった。それぞれ、判別分析を実施した結果、地域間および季節間の違いをほぼ100%判別することが可能であった。