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[I-16-21] 放牧飼養乳牛における乳中奇数鎖・側鎖脂肪酸を用いたルーメン内微生物態タンパク質合成量の放牧期を通した推定
【目的】乳中奇数鎖・側鎖脂肪酸(OBCFA)量を用いたルーメン内微生物態タンパク質(MCP)合成量の推定が、5~6月の放牧乳牛において可能であることを報告した(日畜第129回大会)。本報では、放牧期を通した5~10月における推定を試みた。【方法】5~10月にホルスタイン種泌乳牛18頭を放牧飼養し、月に1~2回のサンプリング期(各6日,全8期)において、全牛の乳および尿を毎日採取した。乳中の15種のOBCFA濃度、およびMCP合成量の指標として尿中プリン誘導体濃度を測定した。乳中の各OBCFA量を説明変数としてMCP合成量に対するPLS回帰を行った。【結果】全期データを用いた回帰の結果、推定式の標準化偏回帰係数はanteiso-C15:0が最大で、次いでC5:0、C13:0、およびiso-C17:0が大きく、決定係数(R2)は0.80であった(P < 0.01)。1~8期におけるR2は、それぞれ0.85、0.79、0.78、0.63、0.94、0.41、0.59、0.64であり、期により精度が異なった。各期平均のMCP合成量は、実測値1,904~3,114、推定値1,752~3,154 g/日であり、両者間の相関係数は0.99であった。各個体平均の実測値と推定値の間の相関係数は、1~8期でそれぞれ0.92、0.92、0.94、0.75、0.75、0.79、0.82、0.90であった。