日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養2

2022年9月16日(金) 13:00 〜 17:00 Zoom会場1 (オンライン)

座長:黒澤 亮(東京農大)、泉 賢一(酪農大農食環境)、河合 正人(北大FSC)、塚原 隆充(栄養・病理研)、川瀬 貴博(栄養・病理学研究所)、石川 翔(兵庫淡路農技セ)、熊谷 元(京大院農)、平山 琢二(石川県大生物資源)

16:40 〜 16:50

[I-16-40] ホルスタイン種乳牛の発情周期と胃温の関連性の検証

*石川 翔1、山本 一輝1、駒井 浩志2、木村 研吾2 (1. 兵庫県淡路農技セ、2. (株)セントラル情報サービス)

【目的】畜産現場において分娩時刻の予測や発熱牛の通知などに活用されている胃内留置型温度計の発情予測への活用を視野に、ホルスタイン種泌乳牛の発情周期と胃温との関連性を検証した。【方法】延べ130回(自然発情での授精47回、定時授精83回)の授精について、授精日を0dとした授精前後(-25d~28d)の胃温の変動を解析した。胃温は5分または10分間隔で測定し、得られたデータから1日の平均胃温を算出した。なお、1日の中で温度が低い下位25%の胃温データは、飲水の影響を考慮し平均胃温の算出から除外した。【結果】不受胎牛の胃温は受胎牛に比べて高値で推移しており、胃温の高値が受胎性に悪影響をおよぼしたと考えられた。外気温による胃温への影響が大きい夏季(7-9月)の授精を除いて解析したところ、自然発情による受胎牛の胃温は‐8dから-2dまで低下傾向を示し、その後0dまでに上昇した。1dに低下した後は10dまで上昇傾向を示し、-3d、-2dに比べ10dで有意に高値を示すなど、乳牛の胃温は発情周期に伴い変動する可能性が示された。また、不受胎牛では21dから28dにかけて胃温が上昇傾向を示したのに対し、受胎牛ではほぼ一定の胃温で推移したことから、次回発情との関連性が示唆された。一方、定時授精により受胎した牛の胃温変動は自然発情牛に比べて小さい傾向であり、授精後の胃温動態が異なる可能性が示された。