日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝1

2022年9月16日(金) 09:00 〜 12:00 Zoom会場2 (オンライン)

座長:口田 圭吾(帯畜大)、渡邊 敏夫(一般社団法人家畜改良事業団家畜改良技術研究所)、廣岡 博之(京大院農)、上本 吉伸(東北大院農)、萩谷 功一(帯畜大)

10:00 〜 10:10

[II-16-07] 北海道のホルスタイン集団における乳中β-ヒドロキシ酪酸(BHB)と生産並びに繁殖形質間の表型および遺伝的関連

*阿部 隼人1、山口 諭1、中川 智史1、中堀 祐香1、後藤 裕作2、馬場 俊見2、川上 純平2、河原 孝吉2 (1. 北酪検、2. 日ホ北支局)

【目的】ホルスタイン種の泌乳初期におけるBHBと生産能力や繁殖成績との関連の調査を目的とした。【方法】データは、2018年4月から2021年3月までに分娩したホルスタイン種の牛群検定記録である。対象形質は、分娩後初回検定時のBHB、305日乳量・乳脂量・乳脂率・蛋白質量・蛋白質率、最大体細胞スコア、初回授精日数、空胎日数、初回授精受胎率である。表型分析では3産までの各生産・繁殖形質を応答変数とし、BHBクラス(6区分)を含む線形モデルを適用して、各形質に対するBHBクラスの影響を推定した。遺伝分析では、初産のBHB、305日乳量、最大体細胞スコアおよび繁殖形質について多形質アニマルモデルを適用し、遺伝的パラメーターを推定した。【結果】表型分析の結果、BHBが高い場合、乳脂量・乳脂率・最大体細胞数は高く、蛋白質率は低くなる傾向にあった。乳量および蛋白質量は、中程度のBHBクラスにおいてもっとも高くなった。一方、繁殖形質はBHBの高い場合に一貫して悪化する傾向にあった。BHBの遺伝率は0.18と推定された。BHBと305日乳量間の遺伝相関は0.38と対立的であったが、BHBと最大体細胞数や繁殖形質との間には望ましい符号の遺伝相関が推定された。