日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝1

2022年9月16日(金) 09:00 〜 12:00 Zoom会場2 (オンライン)

座長:口田 圭吾(帯畜大)、渡邊 敏夫(一般社団法人家畜改良事業団家畜改良技術研究所)、廣岡 博之(京大院農)、上本 吉伸(東北大院農)、萩谷 功一(帯畜大)

10:20 〜 10:30

[II-16-09] 黒毛和種経産牛における仕上げ肥育期間が画像解析により求めた脂肪色に及ぼす影響

*野村 凪沙1、口田 圭吾1 (1. 帯畜大院)

[目的]黒毛和種経産牛は繁殖形質について多く解明されているが、肥育についてはあまり研究されていない。本研究は黒毛和種経産牛における仕上げ肥育期間が脂肪色に及ぼす影響を調査した。[方法]供試牛は2019年5月~2022年3月に北海道内の枝肉市場に出荷された黒毛和種経産牛で最終飼養者の飼養期間が365日以内の個体を抽出した(n=269)。分析の際はその期間を仕上げ肥育期間と定義した。枝肉横断面はミラー型撮影装置で撮影し、皮下脂肪ならびに3箇所の筋間脂肪におけるL*a*b*値を画像解析で求めた。分散分析では従属変数をBFS、各脂肪のL*a*b*値および皮下脂肪と各筋間脂肪との色差とし、要因を最終飼養者、仕上げ肥育期間、繁殖期間および格付年・季節とした。[結果]BFSと各脂肪のL*a*b*値との相関係数は皮下脂肪のb*値が0.74と最も高い値を示した(P<0.01)。さらに、皮下脂肪のb*値が1.53上昇するとBFSは1上がる関係が示された。BFSの最小二乗平均値は肥育4カ月で5.3、5カ月で4.0と低下し(P<0.01)、皮下脂肪のb*値も肥育4カ月で11.6、5カ月で7.0と低下した(P<0.01)。色差は肥育5ヶ月目で有意に減少した(P<0.01)。皮下脂肪は肥育4カ月まで黄色が強いこと、BFSは肥育期間を5カ月以上設けると大きく下がることが確認された。