The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝2

Fri. Sep 16, 2022 1:30 PM - 4:40 PM Zoom会場2 (オンライン)

Chairperson: Masaaki TANIGUCHI, Akira Ishikawa(Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University), Shinji Sasazaki, Norihide Yokoi, Tomokazu Fukuda(Iwate University), Youko Aida

2:30 PM - 2:40 PM

[II-16-25] ブタの繁殖形質を例とした表型値間因果構造が存在する場合の適切な選抜指数の検討

*Toshihiro OKAMURA1, Kazuo Ishii1 (1. NARO)

【目的】形質の表型値間に因果構造がある場合、その形質の関係性は、統計モデルによっては遺伝相関、環境相関の他に因果効果として表される。選抜指数の作成には形質間の関係性は遺伝相関と環境相関のみが考慮され、因果効果が含まれない点に問題がある。本発表では、ブタで生存産子数(以下、NBA)と離乳頭数(以下、NW)を同時に改良する選抜指数を例にして、因果効果を考慮した適切な選抜指数作成方法を検討した。
【方法】相対希望改良量をNBA:NW=+1頭:+0.8頭とし、これを達成するための母豚自身の1産記録を用いた選抜指数作成を例とした。既報のNBAおよびNWの遺伝的パラメーター(以下、GP)および因果効果の推定値を用いた。選抜指数の作成に用いるGPは、因果関係を反映させない通常の多形質モデルによるGP(GP1)、因果関係を反映させた多形質モデル(すなわち、NWの共変量にNBAとしたモデル)によるGP(GP2)とし、それぞれの期待改良量を計算した。
【結果】GP1を用いた選抜指数による期待改良量は設定の通り、NBA:NW=+1頭:+0.8頭となった。一方で、GP2を用いた場合、期待改良量はNBA:NW=+1頭:+0.95頭となり、NWへの偏りが生じた。GP2に因果効果を含めることでGP1が計算可能であることから、希望改良量を達成するための選抜指数作成には、因果効果を含んだGPが適切であることが示された。