日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝2

2022年9月16日(金) 13:30 〜 16:40 Zoom会場2 (オンライン)

座長:谷口 雅章(農研機構畜産研)、石川 明(名大院生命農)、笹崎 晋史(神戸大院農)、横井 伯英(京大院農)、福田 智一(岩手大理工)、間 陽子(東京大学院)

15:00 〜 15:10

[II-16-28] デュロック純粋種における産肉形質に関するMicrobiabilityの推定

*上本 吉伸1、本間 智尋1、廣瀬 健右2、伊藤 哲也2、上川 舞2、東間 千芽2、古川 了一2、北澤 春樹1、佐藤 正寛1 (1. 東北大院農、2. 全農飼畜中研)

【目的】ブタにおいて、微生物の総ゲノム(マイクロバイオーム)と表現型との関係が注目されている。本研究では、デュロック純粋種の産肉形質に関して、糞便マイクロバイオームによって説明できる表型分散の割合(Microbiability)を推定し、腸内細菌叢が表現型に与える影響を調査した。【方法】デュロック種400頭について、一日平均増体重、背脂肪厚、ロース芯面積、筋肉内脂肪を測定した。菌叢解析は、100kg時に糞便をサンプリングし、16S rRNA解析により菌叢の分類群を推定した。本研究では、マイクロバイオームの違いが、糞便サンプリング時の季節および性別間でどの程度異なるか調査するために、α多様性およびβ多様性を求めた。次に、産肉形質に関する遺伝率およびMicrobiabilityをREML法により推定した。【結果】菌叢割合、α多様性およびβ多様性を糞便サンプリング時の季節および性別で求めた結果、各要因ともに水準間で有意な差があるものの、大きな差は見られなかった。次に、遺伝率とMicrobiabilityの推定値を比較した結果、いずれの形質も遺伝率の方が高い値であった。また、一日平均増体重および脂肪関連形質では、Microbiabilityが推定されたことから、腸内細菌叢の情報をブタ育種改良に利用できる可能性が示唆された。