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[II-16-33] 日本鶏初生雛8品種における後肢骨の比較解析
【目的】日本鶏は約45品種現存し、体型、羽装色や気質等に多様性が報告されている。これまでに成鶏の骨格計測値を用いた品種間の比較研究はあるが、初生雛を用いた報告はない。本研究では、初生雛において歩行と体位保持に関わる後肢骨(腰仙骨、大腿骨、脛足根骨と足根中足骨)を計測し、日本鶏8品種間の比較を試みた。【方法】土佐地鶏、岐阜地鶏、小国鶏、大軍鶏、土佐九斤、烏骨鶏、河内奴鶏と矮鶏の初生雛4-9羽を用いた。成鶏において鮫島(1990)が選定した後肢骨11計測部位のうち、初生雛において計測可能な8部位をノギスにより計測し、雌雄別々に主成分分析した。【結果】第1主成分(大きさの因子)の寄与率は75-80%であり、因子負荷量は腰仙骨腸骨最大長と足根中足骨最大長が最大値(約0.95)を示した。第2主成分(形の因子)の寄与率は7-14%であり、因子負荷量は腰仙骨対転写間幅が最大値(0.60-0.69)を示した。雄では大腿骨最大長と足根中足骨最大長が最小値(約-0.45)を示した。計測個体数は少なかったが、第1と第2主成分により、調査した8品種は雌雄ともに大型(大軍鶏と土佐九斤)、中型(岐阜地鶏、小国鶏と烏骨鶏)および小型(土佐地鶏、河内奴鶏と矮鶏)の3群に大別することができた。以上の結果は、初生雛の後肢骨計測により日本鶏品種の比較解析が可能であることを示唆した。