日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

3. 繁殖・生殖工学

繁殖・生殖工学2

2022年9月16日(金) 13:30 〜 14:30 Zoom会場3 (オンライン)

座長:川島 千帆(帯畜大畜産)、武田 久美子(農研機構畜産部門)、原 健士朗(東北大学・大学院農学研究科)

13:30 〜 13:40

[III-16-15] 非妊娠豚における偽妊娠期間の違いが泌乳誘起に及ぼす影響

*笠崎 貴之1、舘野 浩一1、坂爪 義弘1、鈴木 武人2、野口 倫子2 (1. 全農飼中研、2. 麻布大獣)

【目的】我々は、偽妊娠豚に持続性エストロジェン製剤(EDP)を投与することにより人為的に泌乳誘起することが可能であり、得られた乳中には初乳と同等のIgGが含まれることを報告した(Noguchi et al., J Reprod Dev, 2020)。しかし、既報では泌乳誘起率及び泌乳量が低いという課題が残された。本研究では、偽妊娠期間の違いが、非妊娠豚の泌乳誘起率及び泌乳量に及ぼす影響を検証した。【方法】EDP 30 mgをDay 10(発情終了日=Day 0)に1回筋肉内投与して偽妊娠を誘起した供試豚(交雑種、5~10産)は、Day 28、35、42及び49(各区n=4)にそれぞれEDP 5 mgを追加投与した。投与後10日目に12h間隔でPGF類縁体(PG,クロプロステノールとして0.175mg)を2回投与し、初回PG投与後24~72h目まで12h間隔で泌乳状況を確認した。泌乳が認められた個体は、オキシトシン20IUを筋肉内投与後、用手法により搾乳し乳量を記録した。【結果及び考察】Day 42区(25%)を除く全ての試験区で泌乳誘起率は100%であった。本研究における1回当たりの平均搾乳量(42.0±1.8g/回[平均±標準誤差])は処置による影響を受けなかった。これらのことから、52日を除く偽妊娠期間38~59日における泌乳誘起処置は、泌乳誘起率及び泌乳量に明らかな影響を及ぼさないことが示された。