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[IIIYS-01] 豚肉の消費者型官能評価における会場型調査とホームユーステストの比較
【目的】消費者の嗜好性を測る消費者型官能評価は,被験者を会場に集める調査方法(CLT)が一般的である.一方,自宅で評価するホームユーステスト(HUT)は日常の喫食環境に近く,より実際的な評価が可能である.被験者自ら調理するHUTではサンプル以外の要因が嗜好性に影響を与える可能性がある.そこで本研究では,調理条件を同一にした豚肉を用いてCLTとHUTによる評価を比較することで検証した.【方法】被験者はCLT,HUT各60名の一般消費者を,性別と年代が均等になるよう集めた.豚肉は佐賀畜試産4種,市販の国産及び輸入,計6種の胸最長筋を2mm厚にスライスして供した.CLTでは1%沸騰食塩水による1分間のゆで調理を行い,HUTでは被験者自ら同条件で調理し,好ましさについて評点法で評価させた.評点の解析は被験者を変量効果にした線形混合モデルを用いた.【結果】CLT58名,HUT50名より有効回答を得た.評点の混合モデル分析の結果から肉の種類(p<0.001),調査方法(p<0.001),上記の交互作用(p<0.05)が有意であった. CLTとHUTともに輸入の評価が最も低く,残りの5種は高い評価を示した.交互作用にかかる多重検定では, 佐賀畜試産4種においてHUTはCLTよりも高い評点を得た(p<0.01).評価環境が異なることが豚肉の嗜好性評価に影響を与えた可能性がある.