日本畜産学会第130回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演3(畜産物利用、畜産経営)

2022年9月15日(木) 09:00 〜 10:45 Zoom会場3 (オンライン)

座長:若松 純一(北海道大学)、中村 正(帯畜大生命・食料)、福田 健二(帯広畜産大学)、小澤 壯行(日獣大応用生命)

09:30 〜 09:45

[IIIYS-03] Lacticaseibacillus paracasei OUT0010を添加して製造したチーズの揮発成分および匂い特性

*篠田 咲紀1、渡邊 源哉2、成田 卓美2、林田 空3、萩 達朗3、野村 将3、石田 翔太2、赤田 花林2、本山 三知代2、中島 郁世2、宮口 右二1、小林 美穂3、佐々木 啓介2 (1. 茨城大院農、2. 農研機構畜産部門、3. 農研機構食品部門)

【目的】我が国では, 国産チーズの輸入チーズに対する差別化が必要とされている. 差別化の手段として開発中の国産乳酸菌チーズスターターLacticaseibacillus paracasei OUT0010(以下OUT)は, セミハードチーズの製造に補助スターターとして用いると, 味に影響を及ぼすことが認められている. 今回はOUTと乳酸産生力の異なるLactococcus 3菌株(Lc. lactis A(従来株), B, C)を組み合わせたスターターを用いてチーズを製造し, 揮発成分や匂い特性を検討した. 【方法】上記のスターターを用いて合計4種類(A, A+OUT, B+OUT, C+OUT)のチーズを製造した. 揮発成分は固相マイクロ抽出/GC-MS法で分析し, 分散分析と主成分分析に供した. 匂い特性はCheck-All-That-Apply法を用いた官能評価で分析し, 一般化線形混合モデル分析とコレスポンデンス分析に供した. 【結果】揮発成分では117ピークのうち11成分の揮発量が, 匂い特性では評価用語 39語中14語の選択確率が, OUT添加の有無又はLc. lactis菌株の違いにより有意に異なった. 主成分分析およびコレスポンデンス分析からはサンプルの種類により識別できる差があることがプロット上で可視化された. 以上より, OUT添加の有無やLc. lactis菌株の違いは, 揮発成分や匂い特性に影響を及ぼすことが示された.