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[IV-16-03] ニワトリの糖嗜好性におけるSGLT1の関与
【目的】ニワトリでは哺乳類における主要な甘味受容体であるT1R2を介さない甘味受容機構の存在が示唆されている。一方で甘味受容体は腸管にも発現しており、マウスでは腸管の甘味受容体活性化を介した糖嗜好性の形成も示唆されている。本研究では、ニワトリの口腔組織と腸管の両方に発現しているナトリウム-グルコース共輸送体 (SGLT1) に着目し、ニワトリの糖嗜好性にSGLT1が関与しているか検証することを目的とした。【方法】1週齢のロードアイランドレッド種のヒナを用いて2瓶選択試験を行った。SGLT1リガンドの非代謝性グルコースアナログであるメチルα-D-グルコピラノシド (MDG) 溶液またはグルコース溶液 (試験溶液) と水 (コントロール溶液) を常に呈示し、48時間の飲水量を測定した。また、ニワトリSGLT1発現ベクターを用い、cSGLT1発現HEK293T細胞と空ベクター導入HEK293T細胞 (mock細胞) を作製した。2種類の細胞に対し、蛍光標識グルコース誘導体2-NBDG溶液を負荷し、グルコース取込能を蛍光顕微鏡で評価した。【結果】グルコース溶液の飲水量は水と差はなかったが、MDG溶液摂取量は水より有意に多かった。また、mock細胞では2-NBDGの蛍光が弱く、cSGLT1発現細胞では強かった。【まとめ】SGLT1がニワトリの糖嗜好性において重要な役割を果たしていることが示唆された。