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[IV-16-15] マウス乳腺上皮細胞株HC11が放出するエクソソーム内miRNA含有量に及ぼす熱ストレスの影響
【目的】乳腺上皮細胞から乳汁へと放出された細胞外膜小胞エクソソームは、内部に存在するmiRNAやタンパク質などの生体高分子を介して個体間の情報伝達に機能すると考えられている。しかしながら、乳量ならびに乳成分の低下を引き起こす熱ストレス環境下において、乳腺上皮細胞に由来するエクソソームの品質に変化が生じるか否かについては明らかとなっていない。本研究では、エクソソームに含有されるmiRNAに着目し、乳腺上皮細胞が放出するエクソソームの品質に及ぼす熱ストレスの影響について調べた。【方法】マウス乳腺上皮細胞株HC11を播種し、デキサメタゾン・インスリン・プロラクチン含有培地により分化誘導した。分化誘導48時間後、細胞を42˚Cで2時間培養し、熱ストレスを負荷した。その後、37˚Cで24時間培養した後、培養上清から超遠心分離法を用いてエクソソーム分画を単離した。単離した分画におけるmiRNA含有量をRT-qPCR法により測定した。【結果】解析したmiRNAのうちlet-7a-5p、let-7b-5pならびにmiR-27a-3pの含有量は、熱ストレス負荷により対照群と比較して有意に減少した。【結論】乳腺上皮細胞に対する熱ストレス負荷はそれらが放出するエクソソーム内miRNA含有量に影響を及ぼすことが明らかとなった。