日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理2

2022年9月16日(金) 13:30 〜 15:40 Zoom会場4 (オンライン)

座長:松崎 正敏(弘前大農学生命)、村井 篤嗣(名大院生命農)、磯部 直樹(広大院生物圏)、小笠原 英毅(北里大獣医)

13:40 〜 13:50

[IV-16-20] 高ショ糖/高脂肪/高コレステロール食給餌が肥満2型糖尿病モデルマウスdb/dbマウス、およびKK-Ayマウスの肝臓に及ぼす影響

*白坂 航大1、武呂 大和1、筒井 誉大1、小郷 智記1、宇野 絹子2、万代 康平2、杉本 実紀1、笹瀬 智彦1、篠原 雅巳3、美谷島 克宏2、太田 毅1 (1. 京大院農、2. 東農大応用生物科学部、3. 日本クレア)

【目的】本研究では、2種類の肥満2型糖尿病モデルマウスに高ショ糖/高脂肪/高コレステロール食(QFC)を給餌し、肝臓に及ぼす影響を評価することで、新たな非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルとしての可能性を検討した。
【材料と方法】2種類の肥満2型糖尿病モデルマウス(db/dbマウスとKK-Ayマウス)と正常マウス(C57BL/6Jマウス)に、標準食(CE-2)及びQFCを6週齢から8週間給餌した。13週齢時に採尿、14週齢時に採血、及び肝臓・腸管を採取し、血中パラメータの測定、病理組織学的観察及び遺伝子発現解析を行った。
【結果】両モデルマウスで高血糖、高インスリン血症、高脂血症がみられ、両モデルマウスへのQFC給餌により、AST、ALTの増加がみられた。KK-Ayマウスの高インスリン血症はdb/dbマウスと比較してより顕著であった。さらに、両モデルマウスにおいて肝重量、脂肪変性領域面積の増加がみられ、QFC給餌によりこれらが増強された。QFC負荷KK-Ayマウスにおいて炎症因子、血管周囲線維化面積の増大がみられ、腸におけるタイトジャンクション関連因子の低下もみられた。
【結論】QFC給餌は肝病態を悪化させ、特にQFC負荷KK-Ayマウスではdb/dbマウスと比べ肝病態がより進行したと考えられる。このことから、QFC給餌KK-AyマウスのNASHモデルとしての有用性が期待される。