日本畜産学会第130回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演1(栄養・飼養、管理・環境)

2022年9月15日(木) 09:00 〜 10:45 Zoom会場1 (オンライン)

座長:石川 尚人(福島大学農学群)、熊谷 元(京大院農)、古田洋樹(日獣生科大)、小堤 悠平(畜産環境整備機構 畜産環境技術研究所)

09:15 〜 09:30

[IYS-02] 低メタン産生牛に特徴的な未分離Succinivibrionaceae科細菌のルーメン内動態の解明

*藤森 美帆1、瀧澤 修平1、真貝 拓三1 (1. 農研機構 畜産研究部門)

【目的】反芻家畜の消化管発酵に由来するメタンの削減が急務である。ルーメン微生物に着目した研究では、メタン排出の少ない個体に特徴的に分布する未分離Succinivibrionaceae科細菌の関与が注目されている。本研究では、未分離細菌のルーメン内存在量とルーメン発酵指標および古細菌との関連を調べるとともに、同科に属する既知菌と比較評価することで、未分離細菌のルーメン内動態を検討した。
【方法】農研機構畜産研究部門において飼養管理されるホルスタイン種泌乳牛および乾乳牛のべ71頭より経口採取した胃液サンプル(泌乳牛199サンプル、乾乳牛25サンプル)から微生物DNAを抽出した。未分離細菌のリアルタイムPCR定量系を作成し、既知菌および古細菌とともに定量した。細菌の定量データとルーメン内短鎖脂肪酸比および古細菌/細菌比との相関関係を調べ、既知菌の動態と比較した。
【結果】未分離細菌は泌乳期において有意に多く、既知菌は乾乳牛に多く存在した。また、未分離細菌は(酢酸+酪酸)/プロピオン酸比と負の相関関係を示し、プロピオン酸優勢型発酵の個体に高密度で分布した。古細菌/細菌比は未分類細菌と低い負の相関を示したが、既知菌間では正の相関関係が確認された。以上の結果より、未分離細菌は既知菌とは共存せず、濃厚飼料給与割合の高い泌乳牛に多く存在し、プロピオン酸産生に関与している可能性が示唆された。