日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用1

2022年9月16日(金) 09:00 〜 12:00 Zoom会場5 (オンライン)

座長:島田 謙一郎(帯畜大)、舩津 保浩(酪農大食と健康)、江草 愛(日獣大応用生命)、竹田 志郎(麻布大獣医)、福田 健二(帯広畜産大学)

09:30 〜 09:40

[V-16-04] 有機畜産に対する消費者の意向調査

*坂本 麗水1、藤本 玲奈1、向井 孝夫1、小笠原 英毅1 (1. 北里大獣医)

【目的】我々は放牧と自給粗飼料100%で肉用牛(北里八雲牛)を生産しており、2009年には肉用牛で国内初となる有機JAS認証を取得した。昨年、農水省は「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに有機圃場を100万haに拡大することを目的とした。現在、国内における肉用牛での有機JAS取得牧場は7戸に止まっており、有機畜産を普及させるためには生産者だけでなく消費者の理解を向上させる必要がある。したがって、本研究では有機畜産に対する現状の消費者の認知度や印象を調査することを目的とした。 【方法】北里八雲牛を定期的に購入している消費者(A群)とその他の一般消費者(B群)を対象とし、性別、年齢などの基本情報を含めた30問以上のアンケートを実施した。有機畜産の主な特徴である環境負荷、アニマルウェルフェアなどに対する印象を5段階(好ましい~好ましくない)で評価させた。 【結果】これまでに両群60件以上の回答を得ており、有機畜産の特徴に対する印象は、全ての項目においてA群で好ましいと回答した割合が高かった。また、「有機畜産物と通常の畜産物ではどちらが好ましいか」の質問に対し、A群:91.7%、B群:59.7%で「有機畜産物の方が好ましい」と回答した。継続的に有機畜産物に接触する機会の多いA群で有機畜産に対して好ましい印象があり、両群とも環境負荷軽減とアニマルウェルフェアに関心が高かった。