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[V-16-10] 卵殻膜ペプチド添加による食肉製品の脂質酸化と物性への影響
【目的】第128回本大会で、卵殻膜ペプチド粉末(ESMP)の加熱食肉製品における発色促進効果について報告した。本研究ではESMPによる食肉製品の脂質酸化と物性への影響について検討を行った。【方法】豚モモひき肉、豚背脂肪、氷と食塩を混合し、モデルエマルションを作製した。試料としてESMP、卵白粉末、卵白ペプチド(EWP)粉末をそれぞれ肉重量に対して5%・2.5%・1%ずつ添加混合し、成型した製品をモデルエマルションとした。さらに加熱したものをモデルソーセージとした。モデルエマルションの脂質酸化測定はTBA法を用いて評価した。各製品の加熱離水率、pH、クリープメーターによる物性測定を行った。ESMP添加製品の構造観察は走査型電子顕微鏡を用いて行った。【結果】ESMP 5%・2.5%添加をしたモデルエマルションのTBARS値は無添加区と比べて有意に低値を示した(p<0.05)。ESMP5%添加したモデルソーセージの加熱離水率は他の試験区に比べて有意に低下した(p<0.05)。なお、各製品におけるpHの有意差は認められなかった。EWP5%・2.5%添加モデルソーセージの破断荷重は有意に低減したが、ESMP添加による効果は認められなかった。電子顕微鏡観察では、ESMP添加モデルソーセージの構造は多孔化する傾向が見られ、加熱離水率の低減に寄与している可能性が考えられた。