The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用2

Fri. Sep 16, 2022 1:30 PM - 3:00 PM Zoom会場5 (オンライン)

Chairperson: Takeshi Shimosato, Binghui Zhou

2:10 PM - 2:20 PM

[V-16-23] Bifidobacterium longum KMH001株のヒト腸管上皮細胞におけるコレステロール吸収抑制効果

*Haruki Nishino1, taeko Oki2, Ituki Watanabe2, Takeshi Kawahara1 (1. Shinshu Univ., 2. KITII Corporation)

【目的】 Bifidobacterium longum KMH001株は整腸作用をもつプロバイオティックビフィズス菌株であるが、ヒト腸管上皮細胞に対する作用をみたマイクロアレイ解析により、コレステロール吸収に関与する遺伝子発現を制御する可能性が示されている。本研究ではKMH001株のコレステロール吸収に及ぼす影響を検証するため以下の研究を行った。
【方法】 ヒト腸管上皮由来Caco-2細胞株にKMH001株の加熱死菌体を作用させ、関与が示唆されている遺伝子発現に及ぼす影響を定量PCR法で解析した。また、KMH001株を作用させた細胞に蛍光標識コレステロールを取り込ませ、取り込み量に及ぼす影響についてフローサイトメトリー法により定量解析を行った。
【結果】 KMH001株は腸管腔からのコレステロール吸収に関与するNPC1L1およびABCA1の遺伝子発現には影響を及ぼさなかったが、上皮細胞で吸収したコレステロールの管腔側への部分的な排出を行うABCG5やABCG8の発現を有意に上昇させた。またKMH001株処理により蛍光標識コレステロール量の取り込み量の減少が確認された。以上の結果から、KMH001株は腸管上皮細胞においてABCG5とABCG8の発現上昇を通じてコレステロール吸収の調節機構として働く排出作用を高めることで、最終的な取り込み量を抑制する機能を有する可能性が示された。