日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2022年9月16日(金) 13:00 〜 17:00 Zoom会場6 (オンライン)

座長:杉野 利久(広大院生物圏)、矢用 健一(農研機構 畜産研究部門)、石川 志保(酪農学園大学)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、阪谷 美樹(農研機構畜草研)、竹田 謙一(信州大学)、黒川 勇三(広島大学)、檜垣 彰吾(農研機構)

13:10 〜 13:20

[VI-16-03] 画像によるホルスタイン種雌牛の分娩難易度判別システムの検討

*青木 真理1,3、杉浦 綾1,2、西浦 明子3、大井 真紀子4、青野 晃5、中野渡 佳那映6、大浦 俊彦6、日野 翔7 (1. 農研機構農情研セ、2. 農研機構北農研、3. 農研機構畜産部門、4. 家畜改良セ岩手、5. 家畜改良セ熊本、6. 茨城畜セ、7. 茨城畜セ養研)

【目的】乳用牛は骨格上,物理的に難産を起こしやすく,難産は分娩後の生産に影響して経済的な損失を生む.難産の予測は骨盤計で骨盤腔を計測する方法が最も有効とされているが,機材・技術・労力の面から生産者が容易にできることではない.もし,画像から牛の難産程度が予測できるなら,軽労的且つ,非侵襲的に妊娠牛の適切な管理を促すことによって,分娩事故を低減し,新生子牛と母牛の損耗を防ぐとともに,種雄牛の選定や周産期飼養管理の効率化を望むことができる.【方法】本課題では,乳用牛群検定記録に準じた分娩難易スコアのうち,1から2を安産,3以上を難産とした.乳牛の画像に骨盤と関節からなる19点の特徴点を決め,安産/難産が判明している画像にアノテーションを行い,これらを教師データとして深層学習させた.画像は一般的なデジタルカメラで撮影した二次元画像で,物体検出アルゴリズムであるYOLOv3を用いて牛が撮影されている部分の抽出を行っている.特徴点の推定は,Convolutional Pose Machinesのアルゴリズムを牛に適用した.【結果】学習に用いていないテスト画像の推論を行ったところ,8割以上正解である判定精度を得た.この画像からの安産・難産判別システムは,難産のリスクを簡便・軽労的に生産者へ提供する情報ツールとして活用が期待できる.