管理・環境

[VI-16-10] ウシ用飼料原料・疾病情報検索システム：MOWペディアの開発

*竹崎 あかね¹、杉野 利久²、朱 成敏³、武田 英明³ (1. 農研機構本部、2. 広大院統合生命、3. 国立情報研)

【背景と目的】近年、酪農経営では、各種センサからの自動収集値、人手での入力値、飼養管理の基準値等、様々なデータを活用し効率的に飼養管理することが求められている。データを統合利用する際には、データの内容を示す項目名等が多様であると（“ダイズ粕”、“ダイズ油粕”のような同義語）、煩雑なデータのクリーニング作業や、解析の失敗を生じることがある。そこで、我々は上記用語問題を解決するため、情報基準となる3種類の共通語彙、ウシ用飼料オントロジー、ウシ用飼料成分オントロジー、家畜疾病オントロジーを構築してきた。本稿では、共通語彙を用いて統合的に情報提供するサービス「ウシ用飼料原料・疾病情報検索システム（MOWペディア）」について報告する。【MOWペディアの概要】MOWペディアは、ウシ用の飼料、飼料成分、家畜疾病情報を共通語彙に基づき体系的に整理し公開したものである。飼料は、日本標準飼料成分表に準じて分類されており、リンクをたどることで、飼料の特徴（原材料・利用部位・加工調製方法）、原料作物情報、写真、成分値を確認できる。飼料成分については、飼料成分や飼料評価指標（蛋白質の分解性など）の別名、英名、外部の関連情報を、家畜共済統計に準じて分類された家畜疾病については、別名、英名、家畜伝染病の詳細情報を確認できる。MOWペディアは飼料設計時の参考、初学者の教育等に利用されることを想定する。