日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2022年9月16日(金) 13:00 〜 17:00 Zoom会場6 (オンライン)

座長:杉野 利久(広大院生物圏)、矢用 健一(農研機構 畜産研究部門)、石川 志保(酪農学園大学)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、阪谷 美樹(農研機構畜草研)、竹田 謙一(信州大学)、黒川 勇三(広島大学)、檜垣 彰吾(農研機構)

14:30 〜 14:40

[VI-16-11] パラグアイのカアグアス県の乳牛におけるレプトスピラ症の疫学調査

*白川 天悠1、菅沼 啓輔2、Maria RODRIGUEZ VALINOTTI3、Antonio RODRIGUEZ SANCHEZ3、Tomas ACOSTA2 (1. 帯畜大院、2. 帯畜大、3. パラグアイ獣医臨床検査センター)

【背景】人獣共通感染症であるレプトスピラ症の病原体が牛に感染すると主に流産や不妊症等を引き起こす。2019年から2021年にパラグアイで飼養され、検査対象となった17,021頭中10,983頭が血清陽性であった。しかし、乳牛を対象とした無作為サンプリングによって有病率や生殖器中で検出されるLeptospira sp.の存在については不明である。そこで、パラグアイの乳牛におけるレプトスピラ症の疫学的特徴を明らかにする調査を実施した。【方法】2022年3月にパラグアイ東部カアグアス県の5軒の農場で、計50頭の乳牛の血液と膣粘液を採取した。血清を用いて顕微鏡的凝集試験を行い、抗体価200以上の検体を血清陽性と判断した。また、メトリチェックにより採取した膣粘液のDNAを抽出後、Leptospira sp.を特異的に検出するlipL32遺伝子を標的としたプライマーを使用してNested PCR検査を行った。【結果】血清学的検査では50頭中38頭が血清陽性を示し、血清陽性牛のうち37頭が血清型Wolffiであった。分子生物学的検査では50頭中9頭の膣粘液中にLeptospira sp.が存在し、そのうち7頭は血清型Wolffi、2頭は血清陰性であった。以上の結果から、対象地域の乳牛で血清型Wolffiが蔓延しており、一部のLeptospira sp.は生殖器中で生息している可能性が示唆された。