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[VII-20-08] 乳房炎の繰り返し罹患が新たな泌乳期の乳成分組成に与える影響
【目的】乳牛の乳房炎は乳量・乳質の低下に繋がる酪農現場で重大な疾患である。同泌乳期に乳房炎を繰り返した個体では、より顕著な乳生産能力の低下が報告されている。しかし、乳房炎の再発経験が、乾乳後の新たな泌乳期における乳生産や乳成分に及ぼす影響は検討されていない。そこで、本研究では前泌乳期中の乳房炎再発経験の有無が乾乳後新たな泌乳期における一般乳成分、乳中の代謝物に与える影響を調査することとした。【方法】前泌乳期に乳房炎の治療歴が3回以上の個体を乳房炎再発群(n=25頭)、過去2年間乳房炎の罹患歴のない個体を健康群(n=25頭)とした。乳サンプルは、乾乳後新たな泌乳期において乳中体細胞数が20万/ml以下であることを確認した。得られた乳は一般成分分析、メタボローム解析、アミノ酸分析に供した。【結果】新たな泌乳期において、乳中体細胞数に2群間の差は認められなかったが、乳脂肪量は、乳房炎再発群で有意な低下が認められた。乳中のメタボローム解析およびアミノ酸分析では、乳房炎再発群において、バリン、アラニン、プロリンなどの遊離アミノ酸の有意な増加が認められた。これらのアミノ酸は乳房炎罹患乳で増加することが過去に報告されている。以上の結果から、乳房炎の繰り返し罹患は、乾乳後の新たな泌乳期の乳において特徴的なアミノ酸代謝をもたらすが、乳中体細胞数とは無関係であることが示唆された。